1か月を1日に短縮!SABO_Kitを活用した3次元設計で設計意図を迅速に形に

1か月を1日に短縮!SABO_Kitを活用した3次元設計で設計意図を迅速に形に

セントラルコンサルタント様

建設業界では、3Dデータを活用した設計業務や業務効率化への取り組みが進んでいます。
セントラルコンサルタント株式会社では、都道府県発注の砂防全体計画検討業務において、3次元設計システム「V-nasClair」シリーズ「SABO_Kit」を活用しました。

今回の業務では、堰堤配置の見直しに伴い、3案比較による予備設計が必要となりました。
SABO_Kitを用いた3Dモデルによる配置検討や図面作成、数量算出を行うことで、複数案の比較検討を効率的に進めることができました。
また、業務を通じて3次元設計のノウハウ蓄積や技術力向上にもつながっています。

今回は、SABO_Kitを活用した業務の進め方や導入効果、今後の展望について、東京事業本部 環境水工部の柴田貴文さん、進藤聖さんにお話を伺いました。
 セントラルコンサルタント株式会社 東京事業本部 環境水工部
左から 柴田 貴文 氏 進藤 聖 氏


業務概要:配置見直しに伴う「3次元設計」の必要性

今回のプロジェクトは、「砂防全体計画検討業務」です。
過年度の詳細設計において堰堤の配置位置が変更されたことに伴い、全体計画を修正する必要が生じました。

具体的には、新設堰堤の規模の見直しが可能になったことから、最適な配置を改めて検討することになりました。
そのため、本業務では3つの比較案を作成して最適案を選定する予備設計がテーマとなりました。

本業務自体はBIM/CIM対応の指定物件ではありませんでしたが、発注者への提案力向上や社内の技術力向上、設計品質の向上を目的として3Dデータの活用に踏み切ったそうです。


導入前の課題:3案比較に伴う作業負担

従来は、こうした検討業務は2DCADを用いて検討を進め、図面作成や数量算出を行っていました。
設計マニュアルを確認しながらの作業には、多くの時間と手間を要していました。特に3案比較ともなると、それぞれの案について図面や数量をそろえるだけでも、約1か月ほどかかります。

また、配置条件の変更が生じた場合には関連する図面や数量の見直しも必要となり、作業負担が大きくなる傾向がありました。

概略検討業務では契約金額が限られることも多く、その中でいかに効率的に業務を進めるかが課題だったといいます。


SABO_Kit活用:ハンズオンから実務へ、3Dモデルが変えた検討プロセス

SABO_Kitを利用するきっかけとなったのは、当社が開催したハンズオンセミナーでした。
柴田さんは「操作が体系的で分かりやすく、2次元図面や数量表のアウトプットまでスムーズに出せる点に魅力を感じた」と振り返ります。

今回の業務では、発注者から受領した点群データを活用し、SABO_Kitを用いて3Dでの堰堤配置の検討を行いました。
3案のモデルを並べて確認しながら配置条件や構造の違いを視覚的に把握でき、発注者との認識共有にも役立ち、最適案の検討を進めやすくなったといいます。
発注者からも「堰堤のイメージが湧きやすい」といった反応も得られたとのことです。

また、モデル作成と併せて2D図面や数量が一瞬で作成できるため、比較検討に必要な資料を効率よく整理できたほか、数量については、コンクリート量だけでなく土工数量についても確認できるため、3次元設計の効果を感じられたそうです。


導入効果:3案比較の効率化と技術力向上

SABO_Kitの活用により、3案比較に必要な図面作成や数量算出を効率的に進められるようになりました。

お二人のお話によると、従来の2次元設計では、3案分の図面作成や数量整理に約1か月を要していたのに対し、SABO_Kitの活用後は、習熟後の実作業ベースで約1日程度まで短縮できたそうです。

また、実施コストの面でも効果が見られました。SABO_Kitを活用したことで従来手法と比較し3割程度削減できた感覚があるといいます。

さらに大きな成果として挙げられたのが、技術者のスキル向上と社内ノウハウの蓄積です。
進藤さんは「社内で迅速に設計の考え方を形にできるようになった」と話します。

当初はV-nasClairの操作習得に時間を要したものの、業務を通じて社内の技術力向上につながったと振り返ります。

3案比較における図面・数量作成期間の比較
※習熟後の実作業時間ベース

業務実施コストの比較
※担当者試算

今後の展望:社内展開とさらなる活用に向けて

お二人は今回の業務で得られた知見を活かし、今後は他拠点への展開も視野に入れているといいます。

社内での技術交流を通じて活用事例を共有しながら、3次元設計に関するノウハウを蓄積していく方針です。

取材では、実務で活用したからこそ見えてきた改善要望についても伺いました。
いただいたご意見はKTSへフィードバックし、今後の製品開発・機能拡充に活かしていきます。

今回の取り組みをきっかけに、社内での活用範囲をさらに広げ、より効率的で品質の高い砂防設計につながっていくことが期待されます。