「V-nasClair」導入事例

3次元設計で施工現場革命、丁張りをかけないICT施工を実現

小野建設株式会社様 導入事例

小野建設は、静岡県内で土木・建築の多岐にわたる分野で施工実績を上げる建設会社。2020年に創業100周年を迎える。同社で、主に土木分野を担当する稲葉氏は、かねてより設計の3次元化に取り組んでいたが、2016年に3次元CAD「V-nasClair」を導入して以降、ICT施工現場での活用が加速した。

建設会社が本格的に3次元CADの導入に至った経緯とその効果について、小野建設株式会社 土木部工事課 工事長 稲葉 広幸 氏に話を聞いた。

困ったな

“設計ができる3次元CAD”が欲しかった

稲葉氏が、設計の可視化を目的として3次元化に取り組み始めたのは10年以上前。CIMやi-Constructionといったフレーズが業界を賑わす以前のことだった。当時3次元CADといえば『AutoCAD』か、フリーソフトの『SketchUp』等が主流。SketchUpは操作性も良く、見た目の可視化だけであれば問題無かったが、後の施工業務に活かせない。

稲葉氏:「周囲からも『すごいね』と言われて終わってしまうんです。可視化するならそのデータをそのまま施工に活かせる“設計ができる3次元CAD”は無いか?と考え、調べた結果、3~4年前に『V-nasClair』にたどり着きました。」

以前から、当時2次元CADだった『V-nas』の評判は聞いていたが、建設会社は施工管理ソフトにセットで付属されているCADソフトを利用するケースがほとんどだ。

「CAD単体を購入するのは二重投資になるので、導入は躊躇していたんです。“V-nas=建設コンサルタントが使うもの”という認識でした。」

-それがどうして導入に至ったのでしょうか。

「それが3次元で“設計”ができるかどうか、です。そもそも建設会社は3次元化なんて必要ない。3次元化しなくても、施工はできます。ただ、より正確に、そしてより簡単に、と考えると、自分達で3次元化に取り組むのが近道だったのです。」

本線等、主だったものには設計図があるが、仮設道路や付帯道路等は整った図面が無い場合が多い。

「それを2次元で一から作るのがかなりの手間です。V-nasClairにはIPを打って計算し直して・・・といった検討をする上ですごく便利な機能があらかじめ備わっていて、かつ3次元で地形と仮設を合わせることができるんです。i-Constructionでは2次元図面の3次元化は施工業者がやると規定されていて、貸与される、元の2次元図面が現場の地形や条件に合っていればよいですが、合っていない部分の修正が必要になると、自分達で、設計ができるCADを所有していないと融通が利かないんです。」

差し戻しの手間を軽減

-一般的に建設会社がそこまでやるものなのでしょうか?

「どうでしょうか(笑)。一般的な流れでは設計図書の照査があってそれに対する問題点が施工業者から発注者に指摘して、その問題点に対し、差し戻しが必要だと判断されれば発注者から建設コンサルに再設計依頼が出され・・・といったように、かなり行ったり来たりの時間がとられてしまいます。しかも、その再設計の結果が現実と合っているかの確証はないので、待ちの時間が無駄になる場合もあります。」

もちろん、本線であれば責任問題になるため相応の手順を踏む必要があるが、あくまで施工段階で必要になる仮設物等は、施工会社が施工しやすいように考える方が断然早いと言う。

間違い防止のために、使わざるを得なかった

しかも可視化すれば合意形成が早い。社内的に施工検討するうえで、やりにくいかやりやすいを判断しやすくなった。

「場合によっては、“3次元化=わかりやすい”とは限らない面もあります。V-nasClairは2次元と3次元両方いけるので、わかりやすい方で見せればよいという点が便利です。」

ただし、稲葉氏本人は、見た目上の合意形成等よりもデータの整合性を重視し、必要に迫られて3次元CADを利用していると語る。

「なぜ3次元なのか。より理にかなったものを作成するためです。見た目の細かいところは時間があればやればいい。それよりも、大筋でいいから施工に使えなければ意味が無いし、間違いを防ぐには3次元CADを使わざるを得なかった。BIM/CIMだのi-Constructionだのではなく、そうしなければ自分の業務が早く進まなかったから。自分のしたいことは何か、それができるCADは何か、を検討した結果、『V-nasClair』にたどり着いたのです。 もちろんやりたいことが全てできるわけではないですけどね。」

導入にあたって、建設現場で社員が使用するのは全員ノートパソコンのため、ハイスペックな環境でなくても稼働できるのも条件の一つだった。また、専用のCADオペレータもいないため、事前の細かい設定等しなくても自分達で操作できるという点も選定のポイントになった。

 

V-nasClairの作業土工データで丁張りをかけない現場を実現

「ICT施工の現場は(現在施工中のもので)3現場目ですが、私は全部V-nasClairでやっています。V-nasClairで作った設計データをそのままICT建機に乗せて稼働させていますが、まったく支障はありません。 ICT建機データはそもそもただの面のデータ。一般的に施工管理ソフトで扱うのは、法線や線形があってそれに直行したデータなので、線形から外れたものは作成できません。一方、3次元CADの場合は線形が無くても、CADのなかで座標系さえ合わせておけばどこに面をつくってもOKなので、作業土工データはすべてV-nasClairで対応しています。おかげで、ここ2年間くらい丁張りをかけていません!」

そう言いながら、稲葉氏は、現在施工中のボックスカルバートを例に挙げて、3次元での施工ステップを見せてくれた。

ボックスカルバートの施工ステップを説明する稲葉氏

「従来のやり方でやると500~600本の丁張りをかけなければならないところを、今回は1本もかけていません。従来施工であれば現場に6名は必要だったところを、現場に2名配置で行うことができました。それで実際に施工して3次元のイメージ通りに出来上がっていく過程を目の当たりにすると、いかに楽で便利かが実感でき、周囲にも3次元CADの導入効果が浸透してきました。」

建設業の二極化を見据え、人材不足問題を解消

これまでの作業フローを効率化するのではなく、作業フローごと変えてしまうことでICT導入の効果を最大化する。まさに「BIM/CIM」や「i-Construction」の真髄を実践していた稲葉氏はこう続ける。

「これから建設業は、“データを作成する人”と、“それをもって現場に出る人”に二極化するでしょう。設計図を読み取って測量用のデータを作るのは技術と経験が必要ですが、前者がいくつかの現場を掛け持ちしてデータを作ることに徹し、現場で後者がそのデータを持参して施工するだけ、といった分業体制が成立すれば、経験の浅い若手技術者や他社から派遣された人でもすぐに理解できます。」

さらに、「二極化」という言葉にはもうひとつの意味が込められている。建設コンサルタントが3次元設計データを出してくるのが先か、施工会社が内製化するのが先か------。いずれにしろ、今後建設業界における生き残りをかけて、より柔軟な対応が求められることは間違いない。稲葉氏は、よりリアルな成果を求めて、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)ではなく、MR(複合現実)の活用にも視野を広げている。ICT、さらにはベンダーへの期待は益々膨らんでいるようだ。

全体平面図

全体平面図

ボックスカルバートモデル

ボックスカルバートモデル

ICT建機で利用する掘削モデルと道路土工モデルを作成

ICT建機で利用する掘削モデルと道路土工モデルを作成

点群から作成した地形モデルとの合成

点群から作成した地形モデルとの合成

点群データの利活用

点群データの利活用

全体モデル

オルソ画像を貼り付けた全体モデル

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