「V-nasClair」導入事例

「まずはモデル化」を実現した3次元CAD「V-nasClair」

株式会社エイト日本技術開発様 導入事例

株式会社エイト日本技術開発は、岡山に本店、東京都中野区に本社を置き、全国に支社を持つ総合コンサルタント。最近CIMへの取り組みを加速させている同社は、CIM推進の鍵を握る「ソフトウェアの選定」において、その特性に合わせたCADを使い分けることで効率を上げている。

技術本部の副本部長である伊藤恭平氏、技術本部 CIM推進室室長の田中栄吾氏、そして、インフラ保全センター 松江支店 技術室主任の伊藤隆洋氏の3名に話を聞いた。

左から技術本部の副本部長 伊藤恭平氏、CIM推進室室長の田中栄吾氏、インフラ保全センター 松江支店 技術室主任の伊藤隆洋氏

CIM推進への道筋

急躍進をとげるエイト日本技術開発

株式会社エイト日本技術開発では、平成29年6月1日に「CIM推進室」を設立した。CIMへの取り組み自体は5~6年前にさかのぼるが、平成28年のi-Construction構想の発表や平成29年の「CIMガイドライン(案)」の公開等、国の動きが活性化するのに伴い、同社の取り組みも一気に加速したかたちとなる。

「総勢7名(専任2名)からなる『CIM推進室』とは別に、13名の『CIM推進委員会』を立ち上げています。全国7拠点、さらには道路、橋梁、河川・・・.etcといった業務の各分野を網羅するために必要な人数でした。メンバーは実務経験者を中心に構成しています」(伊藤副本部長) 。

こうした人員配置の背景には、CIMに取り組む“会社”としての施策、そして“CIM推進室”としてのミッションがある。

●CIM二大施策

「トップランナー施策」

文字通り、CIMにおけるトップランナーを目指し、高度な技術開発を行う将来的な施策。

「ユニバーサル施策」

現時点での技術を活用し、誰もが3Dが扱える・理解できる状態とする、全社員を対象とした施策。 全員がプロフェッショナルである必要は無いが、ある程度のことは全員が「ごく当たり前に」理解できている状態を作っておけば、業務規模を問わず3次元化に取り組むことができ、あらゆるフェーズで生産性向上を図ることを狙いとする。

●CIM推進室のミッション

この施策をまさに“推進”するための大きな柱として、以下の活動テーマが掲げられている。

  • 広報
  • 技術開発
  • 普及

テーマごとにワーキングを立ち上げ、講習会の実施等の社内教育や、社内外へのPR活動を積極的に行っている。このインタビューも、「広報」の活動のひとつだ。

 

社員の自主性を尊重した予算措置

CIM対応物件は挙手制で

現状では、3Dを駆使した設計や可視化といった業務は、まだ仕様として盛り込まれておらず、自主的に取り組んでいるケースがほとんどだ。エイト日本技術開発ではこうした現状でこそ差別化を図るチャンスと捉え、CIM推進委員会に予算をつけて、ソフト・ハード・講習会・外部委託等、あらゆる面からバックアップする体制を敷いた。

「CIM対応は、仕様に入っていない以上、まだ『余分な仕事』。しかも時間も手間もかかります。社員の自主性を尊重することでこの取り組みが活性化することを狙ってCIMプロジェクトは挙手制とし、実施が決まったプロジェクトには予算措置をとりました。ソフト・ハード・講習会・外部委託等、CIM対応に必要な予算をバックアップするのです。これにより、平成28年度に4件の業務でCIMに取組み、平成29年度には13件もの業務で現在実施中です。」(伊藤副本部長) 。

ユニバーサル施策を支えた「V-nasClair」

モデル化するのがとにかくはやい

こうした状況下で、「ユニバーサル施策」を大きく後押ししたのが「V-nasClair」であった。 「V-nasClair」は土木専用CADとして定評のある「V-nas」の3D版。2次元機能はそのままに汎用的な3Dコマンドを標準搭載し3D地形データを取り扱う前提で開発されているため、ハンドリングがすこぶるよい。

「土木特有の概念がベースにあるので、操作が直感的でとっつきやすい。特に専用コマンドが搭載されている『Kitシリーズ』を使えば細かい設定をしなくても、“とりあえずモデル化”が素早くできます。道路モデルや下部工モデルなどは『線形』を作成し、最小限の項目を入力するだけで自動的に3次元化できます。まさに、“誰もが手軽に3Dモデリング”を体感できるツールだと言えます」(田中室長)

V-nasClair Kitシリーズ

地形モデリング『LAND_Kit』

道路線形計画『LINER_Kit』

路線計画・設計『ROAD_Kit』

道路構造物モデリング
『STR_Kit』

柱状モデル作成『GEO_Kit』

LandXML/IFC入出力
『i-ConCIM_Kit』

いいとこどりのCAD選び

エイト日本技術開発では、二社の統合という背景もあって、CADソフトの利用は2次元CADの時代から「V-nas」ユーザーと「AutoCAD」ユーザーに分かれていた。同社では、それをいずれかに統一するのではなく、双方の利点を生かしたいわゆる「いいとこどり」をする方針に踏み切った。CIMの台頭から3次元化の流れを汲んで、双方の利点はより明確に打ち出されたと言える。

「たとえば、特徴的な製品をいくつも組み合わせて利用するA社製品は、使いこなせばこなす程よりリアリティの高いCIMモデルの作成が可能となりますが、高いスキルが必要であることも事実。一方、検討段階でとにかく手早く3次元化したモデルを見てみたい、いくつかの設計パターンを比較・検討したい、といった時に役立つのが『V-nasClair』。とりあえず即モデル化したい、とか、先ずはモデルの完成イメージを発注者に提示したい、といった時の操作性とスピード感が抜群です」(田中室長)

「景観検討や住民説明等、よりリアルな表現力を求められる場合はA社製品を使って仕上げたりもします。実際のところ、あらゆるツールを駆使していかないと、ひとつのソフトで完結できなくなっている。どういった業務がどちらのCADに向いているかを理解した上で使い分けていくには、ベンダーも自社製品の得意分野やハウツーをどんどん公開して欲しいですね」(伊藤副本部長)

 

「まずはモデル化」を実現するスピード感(『ROAD_Kit』利用例)

道路中心線を通過するだけで

縦断勾配など自動で取得

自動切盛で3Dモデルを作成

V-nasClairを使った、実業務でのCIM対応例

手探り状態でのスタート

平成28年度に実施したCIM対応業務4件の内のひとつに取り組んだ、伊藤隆洋主任に話を聞いた。

「アンダーパス工事に伴う河川の付け替え設計と用排水施設の変更設計において、施工手順を踏まえた本体工事を行う必要性と施工の流れや細部の干渉を視覚的に把握する必要性があると判断し、CIMチャレンジに適した業務であると思い応募しました。この時、使用したのが『V-nasClair』と各種Kitシリーズです」

伊藤氏は、2次元CAD「V-nas」は使ったことがあったが、3次元CAD「V-nasClair」については、CIM適用の名乗りをあげてから習得した。CIMの基礎知識等を合同セミナーで学んだほか、CAD操作についての実践講習は1日半程度、あとはサポートセンターへの問い合わせと、マニュアルを見ながらの独学だ。

「当時はまだ社内にあまりCIM対応経験者がいなかったので、どの場面でどの機能を使うのが効率的か手探り状態でスタートしましたが、結果的に最初の講習だけで無事に成果物が作成できたのは、やはり『V-nasClair』と各種Kitシリーズの直観的な操作性があったからだと思います」

実際の作業内容  ( )内は使用ソフト

問われる費用対効果

3次元化の手間と手応え

より滑らかな曲線を描くには、より多くの断面を作成してつなぎ合わせることとなり、その作業量がまるまる上乗せとなる。先にも述べたとおり、現状では、3次元化等のCIM対応は特記仕様になく自主的な提案となってしまうため、費用対効果が見合わないのではといった社内意見もあった。確かに、3次元モデル化作業は初めてだったこともあり、相応の手間がかかってしまったが、この経験値が今後生かされることを考慮してのチャレンジであり、手応えとしては十分であった。

「そして何より、発注者の方々の反応が上々で、今後はこうした資料作成にかかる費用も計上すべきだろうと評価をいただきました。施工区分や施工手順が立体的に認識できるため、関係者への説明資料として活用したいとのことでした」(伊藤主任)

共通化でViewerがより有効に

その際、専用パソコンを準備しなくても無償で見られる3D Viewerがあるといいのでは、と田中室長は語る。
「発注者の方々がその場で見るだけでなく『後で見たい』『住民に見せたい』といった要求に応え、統合モデルの内部を透過して見せたり、施工ステップを時系列で見せる等の機能を備えたViewerがあると有効だと思います」 

川田テクノシステムでは「V-nasClair 3D Viewer」を無償ダウンロード提供しているが、今後、ガイドライン等でIFCやFBX等のファイル形式の共通化や詳細な定義づけ等によりデータの互換性がアップすれば、CAD本体のみならずViewerにもより高度なプレゼン力が求められることになるだろう。

 

伊藤技術本部副本部長

田中CIM推進室室長

伊藤技術室主任

あらゆる分野の全てのフェーズで

自社ですべてに携わる

同社は測量、地質調査、環境調査、設計、橋梁点検、・・・あらゆる分野のすべてのフェーズに直接携わる社員を置き、自分たちで業務を実施できる状態にしてある。業務を外部に丸投げするようなことはしない。

「当社は社内で上流から下流まで一気通貫で業務を実施にできるのが特長。仕事が回ればいいという考え方ではありません。社内で全てのフェーズに関わる事を基本に考えています。」(伊藤副本部長)

こうした思いもあり、自社でUAVを使ったレーザー測量にも取り組み始めた。

「地表面を遮蔽する構造物や樹木があると写真測量では限界があると考えられます。また、測量段階から自社でやっていれば、目的に応じた効果的な点群データのフィルタリングが期待できます。ここは(精度を)粗くして、この部分は細かくして・・・などの指示も融通が利くからです。CIMのライフサイクルのすべてをカバーできるように、守備範囲を広げていこうと考えています」(田中室長)

「普及」に向けて

ラインナップの充実に期待

「V-nasClairと各種Kitシリーズは自動モデル化に優れたシステムである事は立証されたが、そのラインナップはまだまだ十分とは言いきれない。CIMガイドラインも土工(道路)、橋梁、河川、トンネル、ダムと分かれていますから我々総合建設コンサルタントもこれら全ての工種でCIM対応を行う必要がある。今後の川田テクノシステム製品の充実に大いに期待しています」(伊藤副本部長)

同社がCIM推進室で掲げたミッションのひとつ「普及」。これは、どんな業務であってもエイト日本技術開発社内では普通にCIM業務としてこなせるように、という思いからスタートしたものであるが、今まさに日本の建設事業においての「CIMの普及」こそが建設現場改革の第一歩となり、国の目指す「建設事業全体での生産性の向上」へと進化していくことになりそうだ。

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建設系CAD「V-nas」シリーズ

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